まぶたのたるみを解消するには、
日頃からのケアが重要
年齢とともに下がりやすいまぶたですが、「年だから仕方がない」とあきらめてしまってはいませんか?実は、まぶたのたるみは日頃からの心がけと丁寧なホームケアで、予防したり改善することができるのです。
ただし、自力ではどうにもできない重度のたるみは、医療機関等で治療してもらう必要があります。その際にどんな方法がとられるのか、保険は効くのかなど、気になる情報もまとめています。
なぜ目周りがたるむのか?
目をひんぱんにこすったり、長時間にわたってパソコンやスマートフォンを使ったりする習慣がある方は、要注意です。これらは、目の周りがたるむ主な原因であるといわれています。
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目のこすりすぎ
普通に目をこすってしまう場合だけでなく、メイクを落とすためにおこなうクレンジングの際にも、目元のこすりすぎには注意したいところです。とはいえ、アイメイクやウォータープルーフのマスカラなどをしていると、クレンジングするときに、つい、ゴシゴシとこすってしまいがちです。
メイクが落ちにくい場合には、アイシャドウ、アイライン、マスカラ、下まぶたの順番に、指の腹を使って円を描くようなイメージで、力を入れずにクレンジングとなじませるようにしましょう。うまくいかないようであれば、アイメイク専用のメイク落としなどを試してみるのも、ひとつの方法です。
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長時間のPCやスマホの使用
PCやスマホを使いすぎによる眼瞼下垂が増えている昨今。そして、目の疲労はシワやドライアイの原因にもなってしまいます。つまり、眼瞼下垂に加え、目の周りのたるみ・眼病にも、悪影響があるのです。
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目周りの乾燥
PCやスマホの使い過ぎによって目の周りにシワが発生しやすくなりますが、その主な原因として皮膚の乾燥が挙げられます。目の周りの皮膚はかなり薄く、乾燥しやすいので、アイクリームの使用などを含むケアを、充分にすることが大切です。
まぶたのたるみを解消するには?
単純なまぶたのたるみであれば、日頃からの心がけとケアにより、ある程度の改善効果が期待できます。
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筋力アップエクササイズ
まぶたがたるむ原因のひとつは、筋力の低下。まぶたを支える筋肉が衰えないよう、エクササイズで目の周りの筋肉を鍛えておくと良いでしょう。いろいろな方法がありますが、もっとも簡単なのは「左右の目で、交互にウインクをする」こと。片目をつぶったとき、もう片方の目は大きく見開くのがポイントです。1セット10回ずつが目安、これをこまめに続けるだけでも筋力アップが期待できます。
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保湿を心がける
まぶたのたるみには、皮膚の保湿力・弾力の低下も関わっています。目の周りの皮膚は、顔の中でももっとも薄い部分で、乾燥しやすいのがネック。しかも、人間は1日1万回以上もまばたきをするため、とくに目尻のあたりは乾燥しやすく、シワやたるみが発生しやすい部分なのです。目の周りを保湿するには、保湿化粧品(化粧水・美容液など)でしっかりと水分を補給し、さらにワセリンなどを塗って蒸発を防ぐようにしましょう。目の周りはデリケートなため、刺激の少ない化粧品を選ぶことも重要です。
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それでも治らないたるみは、眼瞼下垂かも?
こうしたエクササイズ・保湿を試しても治らないまぶたのたるみは、眼瞼下垂である可能性があります。まぶたのたるみと勘違いして、トレーニングやマッサージを続けていると、症状が悪化することもあるため要注意。眼瞼下垂の場合は、手術しか治療方法がありません。自分のまぶたのたるみは何が原因となっているのか判別できない場合は、まずはクリニックで診てもらってからケアを始めた方が良いでしょう。
眼瞼下垂とたるみの治療方法
医療機関で受けられる、眼瞼下垂とまぶたのたるみ治療方法についてまとめました。ちなみに、眼瞼下垂は保険適用で手術を受けられますが、その場合は「切開法」のみが対応となっています。いわゆる「切らない眼瞼下垂手術」や「埋没法」などは、自費診療となります。
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腱膜縫縮法(切開法)
手術の方法
まぶたを切開して、中にある腱膜と呼ばれる組織に糸をかけて3ヶ所を固定。左右のまぶたのバランスを調整したあと、切開した部分を縫合します。
メリット
眼瞼下垂の症状が著しく改善するため、視界が広くなります。また、目が大きくなり外見的な印象が変わります。
さらに、眼瞼下垂が解消することで、眼精疲労や肩こり、片頭痛、おでこのシワなどといった周辺症状も解消していくでしょう。
デメリット
まれに切開した傷口が炎症を起こしたり、また、感染症を起こしたりすることがあります。瞼の腫れが引かない、瞼の赤みがひかない、眼球の赤みがひかない、などといった症状が起こることもります。異常を感じたら、すぐに医師に相談するようにしましょう。
ダウンタイム
局所麻酔の影響で、手術から2~3日ほどは、瞼が重たく感じられます。また、まぶたの腫れや痛みは1~2週間ほど続きます。
洗顔やメイクは手術から3日後に可能ですが、なるべく傷口に刺激を与えないようにしましょう。
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眼瞼挙筋腱膜前転術(切開法)
手術の方法
まぶたを切開して、眼瞼挙筋腱膜とつながっている眼窩隔膜という組織を剥がし、前に移動させて瞼板という部分に固定させる方法。あわせて、まぶたの皮膚を一部切除したり、まぶたの中の脂肪を除去したりする処置も可能です。
メリット
重度の眼瞼下垂でも、症状が著しく改善します。黒目がはっきりと現れ、目が大きくなった印象になるでしょう。眼瞼下垂の改善とともに、二重瞼の形成術も並行して行なうことができる点もメリットです。
デメリット
高度な技術力を要する手術なので、経験の浅い医師が執刀すると、失敗するリスクもあります。過去には、目が半開きのような状態に仕上がった、という失敗例もありました。症例が多く、信頼できるクリニック選びが大切です。
ダウンタイム
術後の強い腫れは、1~2週間ほど続きます。内出血や結膜浮腫が生じてしまった場合には、さらにダウンタイムが長引いてしまうでしょう。長期休暇などを利用して施術を受けることをお勧めします。
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タッキング法(切らない眼瞼下垂手術)
手術の方法
医療用の糸を瞼の裏側から通し、上眼瞼挙筋を吊り上げる要領で瞼のたるみを解消させる方法。軽度~中度の眼瞼下垂に適した治療法です。
メリット
施術時間は約30分と、体に負担が少ないことがタッキング法の大きなメリット。傷跡も残らず、基本的には術後の通院も必要ありません。糸で固定するだけの治療法なので、仕上がりに満足ができないときには修正も容易です。
デメリット
重たい症状の眼瞼下垂は、あまり改善効果が期待できません。また、切開法とは異なり、効果は半永久的ではない点も了承しておく必要があるでしょう。個人差はありますが、効果の持続期間は1~2年と考えておいてください。
ダウンタイム
メスを使わない施術なので、ダウンタイムは非常に短めです。腫れや赤みなどは、2~3日でほぼ解消。施術当日からメイクも可能です。
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埋没法
手術の方法
瞼の皮膚と瞼板とを特殊な医療用糸で留めることで、瞼のたるみを解消する方法。留める数に応じて、1点留め、2点留め、3点留め…、などと呼ばれます。
一般に、二重瞼を作る際の「プチ整形」として知られている方法です。
メリット
10~15分程度で治療が終わるなど、体への負担が小さい施術法。医師の技術力によっては、術後の腫れもほとんど生じない場合があります。
メスを使わない施術なので、もちろん抜糸も必要なし。イレギュラーな不具合が生じない限り、通院の必要もありません。
デメリット
症状の重い眼瞼下垂には向いていません。また、改善効果は半永久的ではなく、術後1~2年で症状が再発する可能性があります。
ダウンタイム
施術から3日くらいは、強い腫れが生じることがあります。腫れが完全にひくのは、術後1週間たってからになります。埋没法を受ける場合は、ダウンタイムを考慮して、最低でも3日程度は会社を休む必要があるでしょう。
まぶたのたるみを解消するなら、
技術力の高い医師に頼もう
眼瞼下垂でなかったとしても、まぶたのたるみは視界や見た目の印象を悪くするため、できるだけ早く改善したいものです。まぶたの手術はとくに技術力が必要なため、美しい仕上がりを望むなら、確かな技術力を持つ医師がいるクリニックでカウンセリングを受けてみると◎。あなたにピッタリの治療法を、適切に提案してくれるはずです。