なかなか治らない頭痛、
眼瞼下垂が原因かも?!
眼瞼下垂は「頭痛」を引き起こす原因となることが分かっています。
どんな方法を試しても頭痛が改善しない、一般的な病院で検査をしても原因が見つからない…といった場合は、眼瞼下垂が原因となっているかもしれません。ここでは、眼瞼下垂が頭痛を引き起こす理由と仕組み、その改善法について解説していきます。
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顔周辺の筋肉の緊張が頭痛を引き起こす
眼瞼下垂になると、まぶた周辺の筋肉が緊張し、「緊張性頭痛」が発症することがあります。
緊張性頭痛は頭や首周辺の筋肉が過度に緊張すると起こるもの。眼瞼下垂になると、まぶたをあげる筋肉がうまく働かなくなり、まぶた周辺の筋肉でまぶたの動きを補います。額やこめかみ、首など広範囲の筋肉に負担がかかるため、眼瞼下垂の人は通常よりも緊張性頭痛になりやすいのです。さまざまな原因がある緊張性頭痛ですが、原因が眼瞼下垂だった場合は眼瞼下垂の手術で頭痛が緩和する可能性があります。慢性的な頭痛に悩まされている方は、一度医師に眼瞼下垂かどうか調べてもらうことをおすすめします。
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神経を興奮させ頭痛を誘発
眼瞼下垂で目が開きにくくなると、神経を興奮させて目を大きく開こうとするため、緊張性頭痛を引き起こすことがあります。
通常まぶたを挙げる筋肉が収縮すると、まぶたの裏の腱膜が引っ張られてまぶたが開きます。しかしハードコンタクトの長期使用やアイメイクなどでまぶたに強い刺激を与え続けると、腱膜が引き延ばされてまぶたが挙がらなくなってしまうことも。その際、伸びてしまった腱膜の代わりにミュラー筋という筋肉が使われます。
ミュラー筋は自律神経のうち、緊張状態の時に優位になる交感神経により引き上げられる筋肉。つまりミュラー筋によってまぶたを開くには、常に神経を緊張状態にしなくてはいけません。そのため、眼瞼下垂の人は緊張状態や興奮状態が長く続き、緊張性頭痛になりやすくなります。
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頭痛が眼瞼下垂を引き起こすことも
目の周辺や前頭部、側頭部に強い痛みが出る群発性頭痛によって眼瞼下垂が引き起こされるがあります。頭痛の症状が数週から数カ月続くと、発作中に眼瞼下垂や瞳孔が小さくなる縮瞳といった症状が見られます。
群発頭痛は比較的男性に多いと言われていますが、最近の調査によると女性に現れる場合も多くなってきているようです。年代としては20~30代に多く見られます。群発頭痛の症状を持つ人は、0.01%ほどとされているため、認知度が低く、病院でも正しい診断を受けられないことが多いタイプの頭痛です。
頭痛の中ではかなり強い痛みを伴うのが群発頭痛ですが、特に治療をしなくても、一定の年齢になると自然と発作が現れなくなることも多いと言われています。
群発頭痛の治療法について
群発頭痛を根本的に治すための治療方法は確立されておらず、先天的なホルネル症候群の場合も、現段階では効果的な治療法がありません。そのため、頭痛の発作が起きたときの痛みを和らげるための治療と、頭痛の頻度を下げる治療が行われます。
群発頭痛の発作が起きたときには、酸素吸入治療、「スマトリプタン」という頭痛治療薬の注射などが行われます。通常の痛み止めは効果を発揮しないため、病院での治療が必要です。
また、ステロイドによる予防療法なども行われており、睡眠中の発作予防には、血管の広がりを抑えるエルゴタミンという治療薬も効果的です。
ただし、頭痛が引き起こされる原因が交感神経にあるため、根本的な解決法としては、自律神経系の働きを正常にする必要があります。交感神経の働きを正常化させるための治療として、「ブロック療法」という治療が行われることもあり、この治療による発作を少なくさせることが期待できるでしょう。
ブロック療法で行われる治療は、神経が通る部分に麻酔を打つというもので、群発頭痛の場合は「星状神経節」という神経に対して治療を行います。ただし、ブロック療法の効果の現れ方には個人差があり、必ずしも群発頭痛が少なくなるというわけではありません。
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他の疾患が隠れていることも
眼瞼下垂と頭痛に悩まされている場合、まれに他の疾患が原因となっていることがあります。糖尿病や脳腫瘍などによる動眼神経麻痺や筋肉に力が入らなくなる重症筋無力症、神経が麻痺するホルネル症候群では、筋肉や神経に負担がかかり、眼瞼下垂とともに頭痛の症状が現れやすいのです。
これらの疾患を見逃さないためにも、眼瞼下垂の症状が見られたら専門医に相談してください。
ホルネル症候群で眼瞼下垂が起きる理由
群発頭痛によるホルネル症候群で眼瞼下垂が起きる理由は、群発頭痛によって首の動脈が広がることと、血管の壁に浮腫ができることから、血管の周りにある交感神経の働きが一時的に遮断されるため。つまり、脳から目に渡っている交感神経の働きが妨げられてしまうことから、眼瞼下垂などの症状が現れるとされています。
群発頭痛が起きる原因やメカニズムはまだよくわかっていませんが、動脈が広がることが頭痛の原因にもなっているそうです。動脈が広がってしまうのは、三叉神経という脳神経がある部分から頚髄にかけての働きがよくなりすぎるためだと言われています。
また、ホルネル症候群は先天的な場合もあり、群発頭痛に由来するものではない可能性も。その場合は、群発頭痛による眼瞼下垂ではない場合もあるので、神経系の専門医に頭痛の診断してもらうことがおすすめです。
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眼瞼下垂による
頭痛解消のために眼瞼下垂による頭痛は、多くの場合が緊張性頭痛。頭痛は、種類によって症状の緩和・改善方法が異なるのですが、緊張性頭痛の場合は「患部を温める」のが有効です。
ホットタオルなどで目や肩まわりを温めたり、マッサージをして血行を促進すると、頭痛の痛みがやわらぐとされています。眼精疲労に効果を発揮する、治療用のビタミン点眼薬(ビタミンB12)を使用するのも効果があるようです。
しかし、原因が眼瞼下垂である場合、一時的に症状を緩和することはできても、根本的な解決にはなりません。放置しておくと、交感神経の緊張状態が常に続くこととなり、不眠・便秘・冷え性・倦怠感・うつ病といった症状に進行する可能性もあるのです。
眼瞼下垂を治療する方法は、手術のみとなっています。皮膚の切開を行う方法・皮膚を切らずに糸を使う方法などがありますが、原因となっているまぶたのたるみが改善すれば、頭痛の悩みから解放されることがあります。
もし、長い間頭痛を抱えている・原因が分からない…などの悩みを持っているなら、眼瞼下垂に詳しいクリニックを受診してみると良いでしょう。きっと、あなたにピッタリの治療法が見つかるはずです。