加齢による眼瞼下垂はどうやったら防げる?
まぶたや顔は加齢に伴ってたるみが出てきますが、とくにまぶたのたるみは「筋力の低下」が大きな原因となっています。しかし、腕や足などはともかく、まぶたの筋力まで意識している人は少ないのではないでしょうか? ここでは、筋力が衰える理由と、自分でできるまぶたの筋力チェック、日々の生活に取り入れたいエクササイズなどを紹介しています。眼瞼下垂を防ぐためにも、まぶたの筋力をキープする生活を心がけましょう。
なぜ年齢を重ねるとまぶたがおちてくるのか?
まぶたがたるむ原因の多くは加齢ですが、それには2種類の理由が考えられます。
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- 筋力の低下
- まぶたのたるみは、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)と、目の周囲にある筋肉(眼輪筋)が衰えることで発生します。年齢とともに人間の筋力は低下しますが、まぶたや目元の筋肉も然り。若い頃は問題なく開けられていたまぶたが徐々に重くなり、眼瞼下垂になってしまうこともあります。
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- 皮膚の弾力低下
- 加齢に伴い、皮膚の弾力を保つコラーゲン・エラスチンなどの成分が劣化し、肌のハリがなくなってきます。すると、まぶたの皮膚を支えきれなくなり、垂れ下がってきてしまうのです。
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- その他にもこんな理由が…!
- 筋力低下・ハリの低下以外にも、さまざまな原因がたるみを悪化させます。ひとつは、眼精疲労による筋肉の硬化。目元の筋肉に疲労が蓄積すると、血流が滞って老廃物を排出できなくなり、まぶたが重くなってきてしまいます。また、コンタクトレンズの長期的な利用もまぶたには悪影響。とくにハードコンタクトを使用している人は、眼瞼下垂の発生率が高くなると言われています。
まずは自身の瞼年齢を図ってみよう
まぶたを支える筋力の低下によって起こるたるみを、眼瞼下垂と言います。しかし、パッと見で眼瞼下垂か、単なるたるみかを判断するのは難しいもの。そこで、まぶたの年齢をチェックできる方法を以下にまとめてみました。
もし、まぶたの年齢が高いようであれば眼瞼下垂の可能性もあるため、専門医に相談するようにしてください。
まぶたの年齢チェック法
1.親指と人差し指を使い、上まぶたの真ん中部分の皮膚を軽くつまむ。
2.指を離し、皮膚がどれくらいで元に戻るかをチェックします。
- 指を離してすぐに元に戻る:20代
- たるみが1~2秒ほど残ってから戻る:30代
- たるみが3~4秒ほど残ってから戻る:40代
- たるみが5~6秒ほど残ってから戻る:50代
- たるみが7~8秒ほど残ってから戻る:60代
目の周りのたるみ予防方法
目の周りがたるんでしまうのを防ぐ方法として、眼瞼挙筋のトレーニングを続けることや、端末を長時間使い続けるのを避けることなどが挙げられます。
●眼瞼挙筋のトレーニング
眼瞼下垂を予防するためのトレーニングは次のような3ステップで行うのがおすすめ。トレーニングは1日に数回繰り返すことが大切です。
- 【ステップ1】そっと目を閉じて、眉の位置をさげていく感覚を意識しながら、額の力を抜いていきます。
- 【ステップ2】額の全体を手のひらでおさえましょう。その際、両眉を動かさないようにするのがポイントです。
- 【ステップ3】左右の目を同時にできるだけ大きく見開き、その状態を5秒間キープしましょう。その後、ふたたびそっと目を閉じて、リラックスします。
また、こういったトレーニングのほかに、目元マッサージなどもおすすめです。ただし、あまり力を入れるとかえってマイナスの効果を招いてしまうことになるので、その点はご注意ください。
●長時間のスマホやPCを避ける
スマホやPCを使用するのも、目のたるみを引き起こす原因となりかねないため、できれば避けたいところです。食事中や入浴中、あるいは就寝直前まで使用している方は、その習慣をいまいちど見直してみることをおすすめします。
食事中に、横に置いたスマホをチラチラ見ると、どちらかの目を主に使う状態になるので、かたよった負担がかかることになります。また、本来リラックスできる入浴中にスマホ操作をおこなうと、交感神経が優位になってしまい、目にたまった疲労も解消されにくくなります。
さらに、就寝前、明るさが充分にない部屋の中で画面を見ると、ブルーライトによる刺激が通常よりも強まります。目や顔に疲労がたまると、眼瞼下垂の原因になってしまいかねません。
たるみ悪化防止のためにできるケア方法
眼瞼下垂を防ぐためにも、できるだけ減らしたい「目をこする」という行動。ここでは、日常でできる対策方法をご紹介します。
- 炎症による目のかゆみ
- 何らかの原因で目に炎症が起きている場合、冷たいタオルやおしぼりを目の上に乗せておくことで、症状を一時的に和らげることができます。ただし、炎症が続く場合は放置せず、早めに眼科などで診察を受けるようにしましょう。
- 乾燥による目のかゆみ
- 眼精疲労や空気の乾燥などで目が乾くと、かゆみが発生することがあります。こんなときは、冷えたタオルで最初に目元を冷やし、次に蒸しタオルで温めるとよいでしょう。目の周りの血行が促進され、涙液などの分泌も活発になります。
- 花粉症による目のかゆみ
- まず、眼球に付着した花粉を洗い流すことが大切ですが、水道水を使うのは避けた方が◎(塩素などが入っているため)。目を洗うときは、市販されている人工涙液などを使用しましょう。また、コンタクトレンズではなくメガネを利用したり、花粉の多い時間帯の外出を避けるなども有効です。
- 無意識に目をこすってしまう場合
- 無意識に目をこすってしまうケースで多いのは、睡眠時。しかし、眠っている間のことですから、分かっていてもやめるのは難しいですよね。就寝時の目のかゆみは、アレルギーや髪の毛による刺激が原因となっていることが多め。眠る前にアレルギー用の内服薬や点眼薬を使ったり、前髪が目にかからないようヘアバンド・ナイトキャップなどを用いると良いでしょう。